ボイストレーニング前のストレッチや体の使い方

2023.11.16

目次


ボイストレーニングは、声を発するための筋肉を鍛えることで声のクオリティを向上させるためのトレーニング方法です。ボイストレーニングを行う際には、正しい姿勢と体の使い方が非常に重要です。また、声帯や喉の筋肉を効果的に使うために、ストレッチやウォームアップも欠かせません。声を発するだけでなく、ポストチュアの調整も重要な要素です。声の発声や制御がしやすくなり、より効果的なトレーニングが可能となります。以下に、ボイストレーニング前のストレッチと体の使い方について詳しく解説します。

【ボディストレッチ】

ボイストレーニングを始める前に、全身のストレッチを行いましょう。これにより、筋肉が緩み、体全体の柔軟性が高まります。以下は、基本的なボディストレッチの方法です。

首のストレッチ 背筋を伸ばし、首をゆっくりと前後左右に倒します。各方向で数回ゆっくりと行いましょう。

肩甲骨周りのストレッチ 肩を前後に回す、丸める、上下に動かすなどの動作を行いましょう。肩甲骨周りの筋肉を緩めます。

腕や手のストレッチ 腕を上げたり、回したり、手首をグルグル回したりすることで、腕や手の筋肉をほぐします。

胸や背中のストレッチ 胸を開くように両手を後ろに回し、背中の筋肉を伸ばします。

足やふくらはぎのストレッチ スクワットやハムストリングストレッチなどを行い、下半身の筋肉を柔軟にします。

詳しく説明します。

ネックストレッチ

まず、最初に行うべきは、ネックストレッチです。首や肩の緊張を緩め、声帯や喉の筋肉に柔軟性をもたらす効果があります。

前後のストレッチ 背筋を伸ばし、ゆっくりと頭を前に倒します。後頭部から首の付け根までの筋肉を伸ばすように意識しましょう。10秒間キープし、ゆっくりと元の位置に戻します。これを3回繰り返します。

左右のストレッチ 頭をゆっくりと左に傾け、右側の首筋を伸ばします。15秒間キープし、元の位置に戻します。同様に、頭を右に傾けて左側の首筋を伸ばします。これを3回繰り返します。

ショルダーストレッチ

次に行うのは、ショルダーストレッチです。背中や肩甲骨周りの緊張を緩め、呼吸や発声の制御を改善します。

前後のストレッチ 背筋を伸ばし、両手を背中側に回します。胸を広げ、肩甲骨を寄せるように意識しながら、10秒間キープします。ゆっくりと元の姿勢に戻します。これを3回繰り返します。

上下のストレッチ 背筋を伸ばし、両手を頭上に伸ばします。両手のひらを天井に向け、腕を伸ばすように意識します。10秒間キープし、ゆっくりと元の姿勢に戻します。これを3回繰り返します。

チェストストレッチ

チェストストレッチは、胸部や背中の筋肉を伸ばし、呼吸の深さと声の共鳴を向上させます。

前のストレッチ 背筋を伸ばし、両手を後ろに回します。両手を組んで背中側に引っ張り、胸を広げるように意識します。10秒間キープし、ゆっくりと元の姿勢に戻します。これを3回繰り返します。

横のストレッチ 背筋を伸ばし、右手を頭上に伸ばします。左手で右手のひじをつかみ、右側に引っ張ります。左側も同様に行います。各方向で10秒間キープし、ゆっくりと元の姿勢に戻します。これを3回繰り返します。

ダイアフラムストレッチ

ダイアフラムは、呼吸の制御に重要な役割を果たします。ダイアフラムストレッチを行うことで、呼吸の深さと声のサポート力を向上させることができます。

背中のストレッチ 背筋を伸ばし、床に座ります。両手を背後に回し、床についた指先で体を後ろに引っ張ります。胸を広げ、背中の筋肉を伸ばすように意識しましょう。10秒間キープし、ゆっくりと元の姿勢に戻します。これを3回繰り返します。

腹部のストレッチ 背筋を伸ばし、床に座ります。両手を腹部に置き、ゆっくりと深い呼吸を行います。吸うときには腹部を膨らませ、吐くときには腹部をへこませるように意識します。これを10回繰り返します。

これらのストレッチをゆっくりと行い、無理なく体をほぐしましょう。また、ストレッチ中に痛みを感じた場合は、無理をせずに止めることも大切です。

【ポストチュア(姿勢)】

正しい姿勢は、声の発声や制御において重要な役割を果たします。以下は、ボイストレーニング時の正しいポストチュアのポイントです。

背筋を伸ばす

背中をまっすぐに伸ばし、胸を開いて立ちましょう。猫背や前かがみの姿勢では、呼吸や声の制御が難しくなります。

肩を下げる

肩を力ませずに下げることで、喉や声帯の緊張を緩めます。リラックスした状態でトレーニングを行いましょう。

頭の位置

頭は首の延長線上に置き、前に突き出すことなくバランスを取りましょう。無理なく頭を正しい位置に保つことが重要です。

正しいポストチュアを保つことで、声の発声や制御がしやすくなります。練習中やパフォーマンス中も姿勢を意識し、正しいポストチュアを保ちましょう。

【呼吸法の練習】

ボイストレーニングでは、正しい呼吸法も非常に重要です。深い呼吸をすることで、声のサポート力が高まります。以下は、基本的な呼吸法の練習方法です。

腹式呼吸

手を腹部に置き、ゆっくりと息を吸いながら、腹部が膨らむように意識しましょう。吐くときにはゆっくりと息を抜きながら、腹部をへこませます。腹式呼吸を繰り返し行い、呼吸を深くする練習をしましょう。

ダイアフラムの活用

呼吸時には、ダイアフラムという筋肉を意識的に使うことが重要です。吸うときにはダイアフラムを下げ、吐くときには上げるように意識しましょう。

正しい呼吸法を身につけることで、声をしっかりとサポートすることができます。日常生活でも呼吸法に意識を向け、練習を行いましょう。

【喉や声帯のウォームアップ】

ボイストレーニング前には、喉や声帯をウォームアップすることも重要です。以下は、基本的なウォームアップの方法です。

リップトランブル(くちびるの振動)

口を閉じて、くちびるを震わせるように息を吹き出します。くちびるの筋肉をほぐし、発声準備をします。

ハミング

口を閉じて「ん」という音を出しながら、鼻から息を吸い込みます。声帯を振動させ、のどを温めます。

バブリング(ふくらはぎの振動)

口をわずかに開け、息を吸いながら「ぷ、ぷ、ぷ」と繰り返し発声します。のどの奥まで振動が行き渡ります。

これらのウォームアップを行うことで、喉や声帯の血行が促進され、声の準備が整います。

【ボディマップ】

ボディマップは、自身の体の感覚や動きを正確に認識することです。ボイストレーニングにおいては、声を出す際にどの部位を使っているのか、どの部位が緊張しているのかを把握することが重要です。

まずは、身体の各部位を順番に意識し、リラックスさせる練習を行いましょう。次に、声を出す際にどの部位が動いているのかを感じ取るトレーニングを行います。たとえば、喉や顎、舌、口唇などの部位に意識を向けながら、声を発する際の動きを確認しましょう。

ボディマップを行うことで、声の制御がしやすくなります。自身の体の感覚や動きを正確に把握し、声を出す際の意識と連動させることが重要です。

ボイストレーニング前の体の使い方について、姿勢の調整、呼吸の制御、ボディマップの意識を高めることが重要です。これらの要素を意識しながらトレーニングを行い、より効果的な声の発声と制御を目指しましょう。ただし、個人の体の状態やトレーニング目標に合わせて、適切な方法を選択することをおすすめします。専門家やトレーナーの指導を受けながら練習することも大切です。

【まとめ】

ボイストレーニング前のストレッチや体の使い方には、個人の声の特性やニーズに応じてさまざまな方法があります。上記の情報を参考にしながら、自身に合ったトレーニングプログラムを作りましょう。また、トレーナーや指導者のアドバイスを受けながら練習することもおすすめです。