【ピアノはレンタルすべき?購入すべき?】選び方のコツからお手入れ方法まで、徹底比較

2023.11.10

目次

ピアノはレンタルしたほうが良い?それとも購入がおすすめ?

習い始めで最初にぶつかる課題は、ピアノ選びです。

どちらがお得かは習う人の都合にもよりますが、ここでは一般的な解説を加えてご説明します。

譲られるピアノでもあれば、楽器の心配は必要ありません。

それが難しいのであれば、レンタルもしくは購入で準備しましょう。

そこで「どんなピアノが良いかわからない」「何を確認すれば良い?」という人へ、ピアノ選びのコツとお手入れ方法をご紹介します。

「これからピアノを習おう」と考えている人は、ぜひ目をとおして参考にしてください。


【ピアノのレンタルとは】

対応する会社によって料金は異なりますが、用途に合わせたピアノをレンタルできます。例えば「一般家庭向けのお手軽コース」「音大生向けのコース」「プロ仕様の演奏コース」など、必要に応じてリクエストも受付OK。グランドピアノやアップライトピアノ、電子ピアノやハイブリッドピアノなど、環境によってお好みで選んでください。レンタル期間はそれぞれですが、1カ月~12カ月。もちろんそれ以上でも大丈夫です。必要なときに必要なだけ貸し出してもらえるので、経済的にリーズナブル。ただし、台数が限られる場合もあり、レンタル期間を延長してずっと手元に置くのは難しいかもしれません。

条件の一例

・契約期間中の調律は1~2回/年

・運搬はピアノ専門の運送会社

・搬入と搬出輸送料は別

・リニューアルピアノもあり

・部品の故障には別途費用が発生

・保証料や保険代あり(レンタル料金に含まれることもあり)

注意の詳細は申し込む会社によるので、「これからずっとピアノを弾く」「細かいところを気にしたくない」という場合は、レンタルではなく買ったほうが良いかもしれません。


【ピアノの購入】

ピアノを買う場合でも、ピアノ教室へ入会していれば調律やクレジット支払いのサポートを受けられます。そのため「1度に高額な支払いをしなければならない」というわけではありません。直接楽器店で購入する場合も同じです。レンタルとの違いは、他の誰でもなく自分だけのピアノにできること。ピアノの寿命は30~100年と言われ、使う頻度やメンテナンスの状態に左右されます。そのため1台買えばほぼ一生使える。つまりピアノに関わる職業へ就くのであれば、購入したほうが良い場合もあるのです。費用が心配であれば、思い切って中古ピアノを買う方法もあるでしょう。ただし、中古ピアノは想像していた音色と違うこともあるので、丁寧な確認が必要です。

どちらもメリット・デメリットは存在するので、単純に料金だけで比較した事例もご覧ください。

例)YAMAHA アップライトピアノ

レンタル

購入

月々16,500円~

810,400円

*参考価格

この場合のレンタルは、4年以上の契約で購入と同じ金額になります。種類やサポートによりますが、月々5,000円から契約できるピアノもあり。中古ピアノであればレンタル・購入とも価格は低く、ピアノ教室へ通うことも負担になりません。地域限定では、月々3,000円からレンタルに対応した会社もあります。

結論から言えばどちらをお得と感じるかは個人の判断によりますが、選んだピアノにも影響されるので、次はピアノ選びのコツを確認しましょう。


【ピアノ選びのコツ】

ピアノ選びは3つのポイントから考えてください。

住環境

部屋のどこへピアノを配置しますか?種類にもよりますが、ピアノの高さは100cm×幅150cm×奥行62cm程度のスペースを使います。グランドピアノになれば奥行160cm。部屋が広ければ問題ありませんが、アップライトピアノであったとしても弾くときの椅子スペースを含めると、奥行き80cmは必要かもしれません。戸建てか集合住宅かによっても変わります。マンションであれば電子ピアノをおすすめしますが、防音設備が整っているならアップライトピアノでも大丈夫です。「近隣とトラブルになるのでは…」「ピアノを置くと部屋のスペースが…」と気になる人は、家族や管理人に相談してください。

予算

オークションで買うのはおすすめできませんが、レンタルと購入のどちらが相応しいか考えましょう。種類に関係なく選ぶのであれば、ピアノを弾く年数で判断してください。これから長く使う可能性があれば購入。使う年数が未定ならレンタル。長く使えば使うほど購入のほうがお得ですが、いつまで弾くかわからないならレンタルがおすすめ。自分が使いたいと思ったピアノの販売価格を調べ、同じ種類のレンタル料金を確認すれば、どちらか合っているか決められます。大人は使用年数も少なめですが、「レンタルには抵抗がある」「自分のピアノが欲しい」ということであれば購入でもOKです。

目的

ピアノを弾く目的は何でしょう?「表現力を豊かにしたい」「プロを目指したい」というなら、音の響きや音色を考慮したグランドピアノを選んでください。「趣味でピアノを弾く」「子供の習い事として」という場合は、アップライトピアノや電子ピアノで充分です。ペダリングや伴奏のバランス、音色の正確さなどを重視する人は、アップライトピアノやグランドピアノなど生ピアノがおすすめ。電子ピアノでは学べない部分をフォローできます。

<注意事項>

ピアノ教室へ通う人は、できればその教室で弾く音に近いピアノをおすすめします。ピアノ教室はアップライトピアノ、自宅では電子ピアノという場合、鍵盤の軽さや大きさがまったく違うこともあるでしょう。そうなると「自宅ではスムーズに弾けても、ピアノ教室では思いどおりに弾けない」「ピアノを弾くのが負担」と感じるようになるかもしれません。自宅とピアノ教室の違いが大きければ大きいほどギャップも生まれるため、講師とも相談してください。


【ピアノのお手入れ】

ピアノを長持ちさせるには、日常的なお手入れが欠かせません。音質の不調や音量の変化にも影響を及ぼすので、長くピアノを楽しめるよう掃除をしましょう。

外装面

外装には埃や手垢が付着します。表面の埃は毛ばたきで軽く払ってください。素材が柔らかいため心配ありませんが、強くこするとすり傷を着ける原因となります。埃を払い、水を含ませた状態の固くしぼったタオルで表面の手垢を拭き取りましょう。このとき乾いたタオルはNG。そのあと柔らかい生地のクロスで乾拭きします。乾拭きする場合も力を入れてはいけません。毎日お手入れする必要はありませんが、埃は小まめに払ってくださいね。

鍵盤

ピアノを弾き終わったら、乾いた布で鍵盤を拭いてください。気になる汚れを発見したときは、水を含ませ固くしぼった布で拭きましょう。それでも拭き取れない場合は、鍵盤クリーナーを使います。鍵盤クリーナーは、銀イオン水をベースにした商品が多くウイルスや雑菌も除去。扱いやすいスプレー式のものも発売されているので、いつでも手軽に利用できます。ピアノを弾く前に手を洗い、鍵盤に汚れを持ち込まないよう意識しておくと良いかもしれません。

ペダル

ピアノコンパウンドを使ってお手入れしましょう。銅と亜鉛の合金で作られているペダルは、湿気に弱く経年劣化で変色します。そのため気づいたら、「サビが付着していた」という事態も珍しくありません。ピアノコンパウンドを塗装すれば、サビや変色も除去できるでしょう。ただし、真鍮の表面に防錆処理をしたピアノには使えないので、品番を確認してください。


【まとめ】

今回はピアノ選びやお手入れを中心に解説しました。

・レンタルと購入は、それぞれのポイントを比較

・ピアノ選びは住環境や予算、目的を意識する

・お手入れは外装、鍵盤、ペダルを丁寧に行う

ピアノを用意するにしても、レンタルと購入では料金が違います。単純に「レンタルは質が落ちる」「購入したほうが良いに決まっている」とわけでもありません。どちらにもメリット・デメリットは存在するので、ピアノ選びのコツも念頭に置きながら判断してください。優れた音を奏でるためにも、お手入れは小まめに行いましょう。「掃除は面倒」「やる気が起きない」という場合もあるかもしれませんが、放置すればピアノの寿命に影響を及ぼします。「埃は毎日払う」「1週間に1回は必ず水拭きする」など、都合に合わせて実践してください。