【一度は聞いたことがある!】ピアノレッスンで必ず習う曲

2023.11.10

目次

ピアノレッスンでは、レベルに合わせて習う曲があります。もちろん先生の好みや旋律の難しさにもよりますが、「必ず習う」と言われる名曲をご紹介しましょう。誰もが聞き覚えのある曲なので、CMやドラマ挿入曲で耳にした記憶があるかもしれません。ピアノ教室では初心者~上級者までを分け、個人のレベルに沿った課題曲を練習します。「ピアノって、どうせクラッシックばかりでしょ?」という印象を抱く人も、「これなら弾いてみたい!」と練習に励める曲を厳選しました。どの曲を選ぶかは自由なので、レッスンの目安にしてください。


【ピアノの上達レベル】

初級

まったくの初心者で習い始めたばかり/教本「バイエル」終了まで

中級

音楽能力検定で演奏グレード7~6程度

上級

7~8年以上演奏している/全音の楽譜5課程から

初級者向け

ピアノ初心者は指の動きが簡単で、同じメロディを繰り返すようなシンプルな曲を選びましょう。その上でテンポが遅くあまり曲調に変化がないこと。左手(右手が利き手の場合)にある程度の指の動きがあることをベースとし、弾きやすい曲を探してください。

喜びの歌/ベートーヴェン

交響曲第9番「歓喜の歌」の別名。大晦日みんなに歌われるアレです。「そんなの初級者で大丈夫?」と思われるかもしれませんが、最初の8小節に音階の変化があるだけで、あとは音階の順番どおり。「これを聴けば今年も終わりを迎える」という定番にあげられるので、この曲を弾けるようになれば初級でもテンションが上がるかもしれません。オーケストラの重厚な音には勝てませんが、かなり気分は盛り上がります。

メヌエット/ペツォールト

長らくバッハによる作曲だと思われていましたが、近年になってそれが間違いだったと判明した曲です。ト長調とト短調の2曲ありますが、広く知られているのはト長調。どちらも初級者向けなので、好きな曲調を選びましょう。ト長調はアメリカで「ラヴァーズ・コンチェルト」というタイトルとなり、4/4拍子にアレンジされた楽曲で有名です。ゆっくりしたメロディなので初心者にピッタリ!

ジムノペディ第1番/エリック・サティ

聞き慣れない曲名かもしれませんが、ルイ・マル監督の映画「鬼火」や韓国映画「僕の彼女を紹介します」の挿入曲として使われています。3/4拍子のゆったりとしたテンポなので弾きやすく、覚えやすい曲調です。癒し系のメロディですが、独特の雰囲気を感じられる不思議な曲と言えるかもしれません。2番と3番もあるので、1番が弾けるようになったら挑戦してみてください。

中級者向け

初級をクリアした人は、中級者向けの曲へ進みましょう。音符の数や種類もあり、変化を楽しめる曲がおすすめ。少し難易度が高ければ弾きごたえ抜群!曲が作られた背景を想像しながら、臨場感あふれる音を奏でてください。

亡き王女のためのパバーヌ/M.ラヴェル

ラヴェルの代表曲。ト長調4/4拍子。有名ピアニストや海上自衛隊の音楽祭でも演奏され、ゆったりした繊細なメロディが特徴です。16世紀にイタリアで流行した宮廷舞踏曲ですが、そのノスタルジックな情緒を感じられる名曲。慌てる必要のないテンポですが、途中から記号が増えるため気をつけてください。柔らかい旋律が続くので、ソフトな響きと流れる指運びを意識しましょう。

トルコ行進曲/モーツアルト

冒頭からテンポを速めず控えめに弾いてください。レガード部分に到達したときテンポを速め、盛り上がりの勇ましさを演出。和音に装飾音が含まれ力の入れどころも難しいかもしれませんが、曲の構成は比較的シンプルなので弾きやすいでしょう。イ短調の部分は重さもありますが、行進曲なので沈んだ暗さは感じられません。この曲はピアノソナタ11番第3楽章。単体の曲ではないので、第1楽章や第2楽章も弾いてみると面白いかもしれません。

トロイメライ/シューマン

トロイメライは、「子供の情景」と名付けられた13曲のうちの第7曲。ヘ長調4/4拍子で、子供の心を描いた大人のための作品と言われています。オクターブ以上の音も登場しますが、ゆったりとした曲調の弾きやすい旋律です。耳馴染の薄い拍子感かもしれませんが、織田裕二と常盤貴子が主演したドラマ「真昼の月」にも使われており、心が落ち着く優しいメロディに仕上がっているでしょう。

上級者向け

上級者は中級で習ったスキルに加え、豊かな表現力が求められます。作曲者の感情を感覚として取り入れ、それを演奏に表しましょう。拍子やリズムの不規則さ、メロディの複雑さや指運びの幅、記号の多さや芸術感など、これまで経験したすべての技術と感性で勝負してください。

革命のエチュード/ショパン

ハ短調2/2拍子。速さはアレグロ・コン・フォーコです。常に左手も忙しく動かさなければならず、弾きこなすには一定のスキルも必要とされます。古い話を語ればドラマ「少女に何が起こったか」で、ピアニストを目指した主人公が弾く曲として有名。練習曲の1つとして作曲されましたが、テンポも速くかなり迫力ある作品でしょう。

幻想即興曲/ショパン

思いつきで作られた幻想即興曲は、当初焼き捨てられる手はずになっていました。ところがショパンの友人によって少しだけアレンジされ、世に出されることになったと言われています。左手が6連符、右手は16分音符のクロスロズム。4拍3連のリズムである上に左右で異なる速さは、上級者でなければつかめない感覚と評価されているでしょう。ドラマ「のだめカンタービレ」に使われており、耳にした人も多いのではないでしょうか。

葬送行進曲/ショパン

葬儀に使われる荘厳な曲です。ピアノソナタ第2番のハ短調4/4拍子。ゆっくりしたテンポの中に悲しみと慈しみが混在し、重々しい和音が重ねられ重低音も響きます。ドラマ「相棒」やゲームオーバーを迎えた際の音楽としても使われ、1度聴けば思い出す人も多いでしょう。深く沈み込む感覚になりますが、凛とした雰囲気も漂わせているかもしれません。

上級者向けはショパンの曲を中心にお伝えしましたが、他にもバッハの「イタリア協奏曲 第1楽章」やラフマニノフの「鐘」にも挑戦してみてください。

【番外編】J-POP

誰もが習うクラッシックの名曲を弾いたあとは、少し目先を変えてJ-POPに注目しましょう。

春よ、来い/松任谷由美

NHK連続テレビ小説「春よ、来い」の主題歌です。イ短調から始まる静かな曲ですが、明るさや希望を感じられる名曲。さまざまなところでアレンジされており、北京オリンピックで羽生結弦選手のエキシビジョンに使われました。レベルとしては中級以上ですが、初級から弾ける楽譜も存在しています。

炎/LiSA

みなさんご存知のアニメ「鬼滅の刃」で、劇場版「無限列車編」の主題歌となっています。複雑なメロディなので難しいと思われがちですが、初級~上級までバリエーションに富んだ楽譜が販売されており、誰でもカッコよく弾ける曲です。上級者であれば、耳コピで弾けるようになるとも言われています。

夜に駆ける/YOASOBI

アニメ「BEASTARS」第2期のオープニングテーマ曲です。原曲はハ短調ですが、自分が弾きやすい曲調に変えても楽しめます。「右手:メロディ/左手:伴奏」というスタイルで書かれた楽譜が多く、アップテンポでリズムに乗りやすいでしょう。焦る気持ちも生まれやすいので、指がなめらかに動くことを確認して弾いてください。


【まとめ】

今回はピアノレッスンで習う曲をまとめました。

・喜びの歌

・メヌエット

・ジムノペディ第1番

・亡き王女のためのパバーヌ

・トルコ行進曲

・トロイメライ

・革命のエチュード

・幻想即興曲

・葬送行進曲

番外編ではJ-POPもご紹介しているので、ピアノに慣れてきたらチャレンジするのもおすすめ。ピアノは王道のクラッシックやジャズ、海外アーティストの曲までどんな音も楽譜になっています。習い始めはシンプルな曲が多いですが、経験を積むごとに難易度の高い曲への挑戦も可能。「そう言えばカフェで流れていた」「ドラマで聞いたことがある」といった感じで、音楽の授業では味わえない馴染みやすさも実感できるでしょう。練習を重ね、憧れのアノ曲を弾きませんか?